ICUとは集中治療室とも呼ばれるICUは、病棟の中でも常に緊張感があり、覚えることが多い現場です。ICUでケアを行う患者さんは、重症の患者さんや術後の患者さんなど、危険な状態をケアするケースばかりなので、ちょっとしたミスでも命を脅かす事態に発展してしまいます。そのため、責任感があり、どんな状況でも落ち着いて仕事ができる強い精神力がある人でないと務まらないでしょう。
そんなICUで働くメリットはいくつかあります。1つ目は、スキルが向上しやすい点です。前述の通りICUに運ばれてくる人の多くは、重症患者さんです。あらゆる急変の可能性がある患者さんをケアするためには、当然少ない知識では適切に処置を行うことができません。ありとあらゆる疾患、症状に対応できるように、それ相応の知識を身に着けておく必要があります。ICUで働く以上、仕事柄勉強しなければならない状態になるため、他の病棟で働くより知識やスキルの向上は早いと言えるでしょう。
2つ目は、自分の能力を最大限に発揮して働く環境が整えられているという点です。集中治療室と聞くと、朝から晩まで大変そうというイメージがあります。しかし、実際にICUで働く看護師は、患者さんに対して最高のパフォーマンスで対応できるよう3交代制で回しているところが多い傾向にあります。つまり、勤務時間を短くすることで、集中して働けるように環境を整えているのです。
3つ目は、やりがいを感じることができるという点です。ICUでは、看護師の処置1つで患者さんの命を救うという状況に置かれることが多々あります。そのため、感謝されることも多くなるでしょう。こうした「自身の手で人の命を救えた」という直接的な体験は、医療に携わる者としてかけがえのない経験になるはずです。
このように、ICU看護師には色々なメリットがありますが、死と隣合わせの現場でもあり、心身的な重圧や難しい対応に迫られることが多くなります。「やってみたい」という気持ちだけではなく、全身全霊で看護に向き合う覚悟も必要になってきます。現場を知り、覚悟を決めるという意味でも、ICU看護師の役目やよくある悩み等はしっかり調べておくようにしましょう。